現存する日本最古のジャズ喫茶ちぐさ(横浜市中区野毛町)は、創業90周年にあたる2023年、新たに「ジャズミュージアム・ちぐさ」として生まれ変わります。当初の3月完成予定が設計変更をくり返したため大幅に遅れましたが、このたび起工式を下記の通り執り行うことになりましたのでご案内いたします。
戦後、横浜の米軍クラブで演奏し、後にそれぞれアメリカに渡って世界的なジャズプレーヤーになった秋吉敏子、渡辺貞夫、日野皓正らは、創業店主・吉田衛(まもる)がかけるレコードに耳を傾けてジャズを勉強しました。このような戦後日本のジャズの黎明期に、若いプレーヤーを育てるふ化器のような役割を果たした歴史を背景に、新生ちぐさも「ジャズの歴史と伝統を大切にし、それを未来につないでいく」ことをコンセプトにしています。
地下のミュージアムは旧ちぐさの4000枚のLPレコード、V-ディスク(*)、手作りのオーディオ装置一式、テーブル、いす、看板など、貴重な展示物を楽しめるジャズ喫茶となり、地上部分には若いプレーヤーに演奏の場を提供できるイベントスペースを設けます。ちぐさはジャズの街・横浜の文化遺産であると同時に、野毛のランドマークとして、アフターコロナの観光客誘致にも貢献したいと考えています。
(*)V-ディスク:第2次世界大戦時、米軍が兵士慰問のために制作した78回転のレコード盤。ちぐさは54枚所蔵。
[建設概要]
店舗名称:ジャズミュージアム・ちぐさ
英文名称:Jazz Museum CHIGUSA
施 主:一般社団法人 ジャズ喫茶ちぐさ・吉田衛記念館
代表理事 藤澤智晴
館 長:筒井之隆(前カップヌードルミュージアム横浜館長)
開 業 日:2023年秋
設 計:株式会社山本理顕設計工場
施 工:株式会社キクシマ
工事期間:2023年5月~2023年10月
建 物:鉄筋コンクリート造 地上1階、地下1階
建設場所:横浜市中区野毛町2-94
資金計画:自己資金、銀行融資のほか「ジャズミュージアム・ちぐさ」設立基金
[起工式概要]
日 時:2023年5月29日(月)16:00〜17:00
会 場:ジャズ喫茶ちぐさ敷地(横浜市中区野毛町2-94)
出 席 者:ジャズ喫茶ちぐさ 山本理顕設計工場 キクシマ 地元商店関係者
起 工 式:キリスト教式により執り行い、
工事関係者、施主、工事現場の安全を祈り祝福する
司式 野毛山キリストの教会 奈良昌人牧師